嫌われる勇気が累計発行100万部を突破したそうです。
アドラー心理学が多くの人たちに認知されたのは、この本によるものだと思います。
血気盛んな青年と哲学者との対話形式でのストーリー展開で、自然にアドラー心理学の概要が分かってしまう、一粒で二度おいしい本です。
アドラー心理学は愛と調和の心理学です。
『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』では、教育と愛が大きなテーマになっています。
教育の目標は自立。
教育とは介入ではなく、自立に向けた援助。
アドラーは教育者を、子供たちのライフスタイルを再教育する人だ、と言います。
アドラーが言う”ライフスタイル”とは、個人としての生活のスタイルや生き方のスタイルという意味です。
でも、アドラーいわく、”間違ったライフスタイル”を持った教育者が、子供たちを再教育しても、”間違ったライフスタイル”を教えるから、”間違ったライフスタイル”を持った子供たちが増えるということになってしまいます。
間違ったライフスタイルというのは、対立、コントロールの世界の価値観のことを指しています。
注意しないといけない点は、アドラーが善ではないんです。
善悪ではなくて、『愛と調和』、『対立、コントロール』のふたつの大きな方向性があるということです。
アドラーは、愛と調和の世界を目指したんです。
なので、愛と調和の世界を作りたいのであれば、アドラー心理学はそのきっかけになります。
でも、対立、コントロールの世界で戦いたいのであれば、アドラー心理学は不要です。
エネルギーの違いを感じられる本
この本に登場する青年は、対立とコントロールのエネルギーが強いので、エネルギーに敏感な人は、胸が苦しくなるかもしれません。ご注意ください。
出すエネルギーが痛い。。
こんな人に会ったことないので、そのテンションを持ち続けるってすごいなぁと思います。笑
ちなみに、この青年はエネルギーバンパイアです。
エネルギーバンパイアとは、人からエネルギーを奪う人です。
周りにもいませんかー?
話をすると、エネルギーを吸われたように疲れてしまう人。
なるべく、物理的に離れた方がいいですよ~。
人はみんな、ハートに蛇口を持っていて、そこからエネルギーを放射することができます。自分が夢中で楽しんでいたら溢れてくるんです。
でも、それはほとんど知られていないので、人のバケツに入っているエネルギーの奪い合いをしています。
高圧的な態度でエネルギーを奪ったり、被害者的な態度で同情のエネルギーをもらったりします。
エネルギーの奪い合いゲームは、対立とコントロールの世界です。
調和のエネルギーは、対立やコントロールのエネルギーとぶつかりません。
同じ土俵には立ちません。
しなやかです。
哲人は調和のエネルギーです。
だから、 エネルギーの違いを感じるという視点で読んでみるのもおもしろいと思いますよ~。
最後に、アドラーの言葉を。
「もしもわれわれが、働かずともすべてを提供してくれる惑星に住んでいたのであれば、おそらく怠惰であることが徳であり、勤勉であることは悪徳だろう」
住んでるんですけどねー。笑
アドラーが語る中で、違和感があるのは、人類が生物学的劣等感性を補うために集団を形成したという論です。
ほんとにそうなのかなー?
なんか、ほとんど本の内容を書いてませんけど(笑)、前作がおもしろかったと感じた人はこの本も楽しめると思います!
楽しい週末を!
前作をまだ読んでいない方はぜひ!
アドラー心理学の源流を知るなら断然この本です!
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